恋愛と安定の境界線

伴侶との関係は、恋愛と安定の境界線にある、一本のラインを歩み続けることで成立します。

一本のラインと言っても、それは綱渡りのロープなようなものではなく、広大な大地に伸びる道路をイメージしてください。

ちょっとでもバランスを崩したらアウトではありません。道幅分の快適なゾーンの中ならば、恋愛に寄ったり、安定に寄ったりできます。

そういったゆらぎの範囲内が、心地の良い場所です。

二人の関係を、絶妙な位置に持ってくるにはどうすればよいか考えます。

恋愛のみ

例えば、相手の見た目や将来性に魅力を感じて、結婚したいと思っても、あなたや周囲は、相手に安定した収入のある仕事に就くことや、事業所得の見通しと安定化を求めたりします。

この場合は、関係が恋愛に寄りすぎているので、見えない力の様なものが、あなた自身の考えや、親や友達のアドバイスという形で、安定に寄せようとしています。もし、相手が定職に就いたり、一定の成功を収めることができれば、あなたや周囲は納得するでしょう。

安定のみ

例えば、正社員であることや、穏やかそうな人柄など、経済性や内面を重視して相手を選んだとします。この場合は、安定はしているでしょうが、ときめきはありません。仮に結婚まで行ったとしても、待っているのは、惰性の共同生活です。

安定に寄りすぎている関係って、周囲は反対しなかったりします。なぜなら、二人に安定した収入があって、収支のバランスが取れていなければ、生活は成り立たないからです。

しかし、あなた自身が、安定しかないことに、一番抵抗があるはずです。なぜなら、相手を本当に大好きだと思えて、毎日、毎年、さらに好きになっていくことなどないと分かるからです。

そして、安定していると言っても、それは、好きなものを買って、好きな場所に行って、好きなことができる状態とは、程遠いわけです。

我慢に我慢を重ねて、妥協に次ぐ妥協と交換に、日々やっとこさ生活していける環境が、人生に出現します。

で、あるなら、目の前の相手や、予測範囲からでることのない平凡な日常に、一生分の恋愛感情やときめく瞬間を差し出すほどの価値があるのか、分からなくなってしまうのです。

絶妙なライン

結婚しているしていないに関わらず、伴侶との関係がうまくいっている人は、恋愛と安定の間の絶妙なゾーンを歩いています。

彼らは、本当に毎日がバラ色で楽しいですから、表情は柔らかく、周囲にも優しいです。そして、二人の関係は、周囲も納得させる要素をすべて兼ね備えていますから、二人には、応援と祝福が与えられます。

恋愛と安定の間の一本のラインは、新幹線のようなもので、そこに乗ると、関係は結婚まで一気に進みます。

二人の関係が、ときめきがあり、尚且つ経済的に成り立つと、自分と周囲が納得してはじめて、物事は前に進みます。

関係は、どちらに寄っているのか、俯瞰的に観察してみてください。