なぜ、婿を取るのか

結論から申しますと、家業があるからです。

じゃあ、家業って何ですかっていうと、家族が食べていくための最適解です。

家業のある家

家業のある家って、基本的に裕福です。

なぜなら、外に稼ぎに行かなくても、仕事とお金が巡る仕組みを持っているからです。それに加えて、資産からの不労所得があったり、社会的地位や、ある分野に特権を持っていたりします。一家一族は、その地に根を下ろしており、地域での信用も影響力もあります。

家業のある家の子供は、高水準の衣食住を保証され、お腹が空いたり、お金で困ることは、まずありません。また、教育にも、惜しみない投資をしてくれる傾向にあります。

婿取りは世代交代

適切な時期に適切な世代交代が行われないと、家業という名のみんなが食べていくフォーマットは消滅してしまいます。

当代の担い手である親が、直系子孫以外の人物での世代交代の決断をできず、婿取り娘さんも婿取りを達成できまま、ずるずるなあなあと時間が経ちます。するとどうなるか。その家業は魅力を失い、誰も後を継ぎたがらず、同業他社や親族に譲渡されるか、それも見つからなければ廃業となります。

なぜ、婿を取るのか

婿取り娘さんが家業に携わっている以上、当人にしかできない一世一代の大仕事が、婿取りだからです。

直系の子孫の価値

あなたが家業を継続していくことは、家業に携わっている人たち全員の第一希望です。なぜなら、次の何十年という時間、家業が継続する確率が、最も高いからです。

創業者は、その道に秀でていたから、家業が形をなして、みんなが食べていけるようになったんですね。そんな創業者の直系の子孫であるあなたは、そもそも家業に向いているんです。そして、婿という形で、外部から新しい血と考え方を迎え入れることで、家業という船は、再び帆に心地よい風を受け、まさに順風満帆となり、不易は継続し、時代の流行に合わせて変化し、さらに発展していきます。

創業者は、創業することがライフワークでした。その子孫である婿取り娘さんは、家業を継続させること、すなわち婿を取ってくることがライフワークです。

家業があるというのは、特権です。そして、その家業がどうなるのかは、いまのところは、婿取り娘さんの手に委ねられています。家業は、雇われないで食べていく手段です。それは、持たざる者からは、羨望の眼差しで見られます。しかし、持って生まれた者は、家業の内情を見ていますから、それがいかに維持するのが大変かを、身に染みて知っています。

継ぐのか、辞退するのか、持って生まれた者は決断をしなくてはなりません。