成婚率に惑わず

成婚率という言葉に、惑わされないでください。なぜなら、成婚率は、あなたが結婚できるかどうかと、まったく関係がないからです。

成婚率は、有名進学校の合格率の仕組みと、ほとんど同じです。

例えば、生徒が100人いる進学校があるとします。

そのうち成績上位20人が、難関大学に合格するとします。この上位20人の内、進学校の授業やカリキュラムのおかげで、なんとかぎりぎり合格するのは、成績11番目から20番目の生徒10人です。

対照的に、成績1番目から10番目の生徒10人は、そもそも地頭が良いですから、進学校の授業やカリキュラムなど関係なしに、合格するんです。そして、上位10人は、特待生という形で、授業料を免除されて、なんだったら生活費という名目で、お小遣いまでもらえるんです。

じゃあそのお金は、どこから出ているのか。残りの80人の生徒からです。成績21位から100位の生徒は、有名進学校という環境を、入学金、協力金、授業料で買っているんです。特待生は、有名進学校という環境そのものを作っている大切な要素です。彼らは、どこにいようが、勉強しようがしまいが、難関大学に合格できることを知っていますから、一番お金がかからなくて、待遇の良い進学校に行くんです。

合格率と成婚率を比べたときに、一つだけ決定的な違いがあります。80人の生徒は、難関大学は無理でも、そこそこの大学に進学することが出来ます。そして、高校生活を、賢くて質の高いクラスメートと過ごすことに、充足感と意義を見いだすこともできます。

では、年単位の時間をかけて婚活して、たとえ結婚に至らなかったとしても、充実した時間だったと納得することって、できるんでしょうか。結婚のために投資したお金と時間の見返りは、成婚という結果以外は、何もないんです。

婚活は、一日でも早く終わるべきです。でも、成婚率が示すように、多くの人の婚活って、終わらないんです。

この世界は、お客様が望むサービスが、具現化します。婚活をがんばっている自分を実現してくれる環境って、需要があるんです。お金を毎月払ってもらうためには、カウンセリングや、お見合いのセットアップなど、出来る限りのやってる感を演出するイベントを、与え続けるんです。あたかも婚活が順調にいっているように感じるでしょうが、結局のところ、その人自身が、謙虚になって、考え方を変えて、目の前の人で手を打たない限り、婚活は永遠に続くんです。

普通に恋愛結婚できなかった人が、なにも変えないで結婚できるわけがないんです。考え方から見た目まで、全部変えて、はじめて結婚に至るんです。

結婚できる人にとって、成婚率は100%です。結婚できないと、成婚率は0%なんです。つまり、結婚は、一か八かの、ギャンブルなんです。勝てる状態で、勝てる環境に身を置けば、何やっても勝てるし、負ける状態で、負ける環境に留まれば、絶対負けるんです。

婚活は、若ければ、若いほど有利です。今の時間は、1年後の時間よりも、はるかに価値があります。で、あるなら、例えば1年前に、成婚率を信じて、婚活をがんばったけど、いま結婚に至っていない場合、1年間の時間の責任は、惑わされたあなたにあるということです。