道具(4) フライパン

主菜を司るフライパンは、キッチンの花形ポジションです。

ナデノキッチンのフライパンは、山田工業所さんの鉄打ち出し中華鍋です。かっぱ橋道具街のヤマヤさん店頭にて購入しました。10年くらい前に、30センチ直径の木の取って付きのフライパンを、たしか3,000円くらいであったと思います。

画像参照: かっぱ橋道具街 料理道具と食器のヤマヤ・山田工業所の製品

中華鍋は、チャイニーズ・フライパンとも呼ばれます。

中華鍋のすごい点はいくつかあります。

まず、これ一つで、炒める、煮る、揚げる、焼くの4つの料理ができることです。中華料理のシェフが、一つの中華鍋から数多の料理を作り出すことは、人類が到達した最高芸術の一つです。

2つ目に、中華鍋は、一生使えることです。鉄を数千回たたいて作られた山田工業所製のフライパンは、とても軽くて丈夫で、使えば使うほど馴染んでいきます。また、いわゆる育てる楽しみがあり、使うたびに鍋肌は変化し、それは小宇宙を連想させます。

3つ目は、中華鍋を使うだけで、料理が美味しくなることです。火は鉄を通して加減よく食材に伝わります。また炒め物と揚げ物では、基本であり奥義でもある油加減も最適にしてくれます。そして、鉄瓶で白湯を飲むのと同じく、私たちの体に必須な鉄が、鍋から料理に加わります。

最後に、この道具は、維持費が圧倒的に安いということです。くっつかない加工がされたフライパンは、使うたびにくっつかない層が劣化していき、いずれ買い替えなければいけません。中華鍋は人生で一度買えば終わりです。それに対して、ほとんどの市販のフライパンは、早ければ1-2年、遅くとも4-5年で寿命が来ます。5年で買い替えたとして、50年で比較してみますと、

  • 中華鍋 5,000円 × 1回 5,000円
  • くっつかないフライパン 3000円 × 10回 3万円

と家計にも優しくありません。

また、加工されたフライパンは、ひとつのパンの劣化の速度を遅くするために、用途別に細分化されたフライパンを作り、それらをセット販売しています。そして、鉄のフライパンには絶対勝てない料理の味や維持費で勝負することはなく、取っ手がとれて、重ねてしまうことが出来ることや、少量の油で料理できるので健康にいいなど、奥様方が飛びつきそうな販売戦略をします。

くっつかないフライパンは女性用

油汚れがスッキリ落ちることと、鉄のフライパンに比べて圧倒的に軽いことも、くっつかないフライパンが日本のキッチンを制覇している大きな理由です。

ナデノキッチンは、女性がやるべき力仕事は一切ないので、フライパンの重さなどは、出てくる料理の味や維持費に比べたら些末な、比較対象にすらならない要素です。

しかし、男性に比べて力の弱い女性が日本のキッチンに立ち続ける限りは、くっつかないフライパンの天下は続くと思います。

力仕事の本質

男性と女性があった場合、男性は常に、力仕事を担当します。

戦争があれば、肉体的に精神的に死ぬ可能性がある究極の力仕事は、人間を産むことができる人間の本流である女性と比較して、相対的に価値の低い男性が担当します。

建築現場や農林水産業など体力がモノを言う仕事、深夜まで働いたり、モラハラ・パワハラ当たり前の発展途上の社会のサラリーマンの仕事は、ある意味戦争と同じくらいの力仕事ですので、男性が担当します。

何がいいたいかというと、キッチンの仕事も力仕事には違いないが、それよりもヤバくてキツい力仕事がある場合、女性はそれをやるくらいだったら、キッチンでもやっとこうということです。

それは、暗黙の男性と女性の合意で、二人が生き残るために一番可能性が高い選択であり、ひいては国家が存続するために一番可能性が高い選択なのです。

ですので、世界一平和な社会で、戦後復興も高度経済成長も、狂気のバブル経済も終わり、ようやく平穏を取り戻した稀有な今ココにおいて、いまだに女性がキッチンに立つ理由は何一つないわけです。

男女の雇用機会は均等とされ、賃金格差はどんどんなくなり、女性は、社会進出ではなく、社会に戻っていっておるのです。

ですので、今ココにおいて、一番必要な力仕事であるキッチンは、男性こそすべきです。

それは、男性にとってもまったく悪い話ではないのです。

人を殺しに行かなくても、死ななくてもいいですし、体力と精神をすり減らして、過労死もしなくていいわけです。

ただ、自分と家族に美味しい料理を提供すること。いい仕事をする道具を見極め、大切に手入れしておれば、それは、循環する縦の世界から富を得ますから、1日は巡り、1週間は巡り、そうして一年は循環していきます。体内の血液が滞りなく巡るように、日々のキッチン仕事は、大いなる人生を滞りなく巡らせてくれます。

中華鍋は筋トレ器具

中華鍋は、手入れの時は、筋トレ器具になります。

温水・タワシ・ササラ・金物タワシの4つで手入れしますと、上半身はとても鍛えられます。

鍋をワシワシゴシゴシ洗って、鍋をピカピカに磨いていたら、副産物として体が鍛えられるわけですから、筋肉を鍛えるための器具よりも、はるかに優れた筋トレ器具であると言えます。

これは、体力のない女性にとってはもっともやりたくない仕事で、男性にとっては、最高の娯楽と同義語な仕事です。

鍋を洗うこと、これを女性が担当しますと、それは最終的にくっつかないフライパンのセットがキッチンに出現します。料理はおいしくなく、強い洗剤でフライパンを洗っても楽しくなく、女性の体はごつくなっていき、手は荒れます。そして、することのない男性の体にはどんどん脂肪はたまっていき、運動不足で太るか、肥満を解消するためにジムに行かなくてはいけなくなるという本末転倒な事態となります。

鍋を男性が洗い出しますと、女性は向いてない仕事から解放されますから、自分の手入れをしたり、ヨガやストレッチをしたりと、美容と健康に時間を使いだします。男性は、そもそも道具の手入れが好きですので、マイフライパンは、一生のかけがえのない相棒となります。そして男性の体は毎日鍛えられ、中年太りとも無縁の人生を送ります。

WIN-WINの関係

20世紀までは、人類は奪い合い、殺し合ってきました。しかし、それよりも与え合い、生かし合う方が楽しいことに21世紀の私たちは気がつきました。

世に問うたり、デモをしたり、政治をすることも大切でしょうが、まずはじめに、男性と女性の最小単位である、家庭が与え合い、生かし合うことこそ簡単であるとなっこは思います。

男性の得意なこと、すなわち力仕事は男性こそやり、女性の得意が生かされ、思うがままの人生を女性に送ってもらうことこそ、今ココの最適解であろうと思います。

フライパンという主力選手を間違うと、家庭というワンチームは低迷し、絶対に勝つことができません。