婚活とアルコール

ナデミタコは、お酒を飲みません。妻もお酒を飲みません。

お酒は婚活に有利なんでしょうか。

結論から言いますと、限定的ではあるが、有利に働くと言えます。お酒が好きな人同士のお付き合いにおいて、お酒は潤滑剤として機能する場合があります。一方で、飲酒習慣がある人を伴侶に選ぶということは、アルコール依存症や、飲酒を起因とする犯罪で破滅するリスクを、受け入れるということです。

お酒と日本人

元来日本人は、お酒を飲む民族です。お酒で問題を起こす人や、お酒で身を持ち崩す人は、どの時代にもいたでしょうが、狭い村社会での息抜きや、客人の接待を酒席に見いだしてきたこともあり、ノーマルな多くの一日と、お酒の力を借りてのスペシャルな一日で、島国日本の一年は巡っていたのです。

お酒と日本人の付き合い方が変わったのは、ここ100年くらいです。

まず、富国強兵や戦費調達のために、お酒が課税対象になります。酒造メーカーやお酒に携わった商売をしていた人たちは、税金なんてかけたら、お酒が売れなくなると反対します。

そこで政府は、国民の自家での酒づくりを禁止するという、荒業を実行します。酒造メーカーのみが、お酒の製造を許可され、個人はお酒をつくると逮捕される世の中となります。

その結果、1899年に、酒造税は、国税収入の第一位に躍り出ます。そして、その後30年にわたって、税収1位の座をキープします。ちなみにこの法律は、現在でも有効です。

こういった経緯から、日本は、個人がお酒をつくると逮捕されるという、世界でも類を見ない法律をもった国家です。

次の大きな変化は、自家用車の普及です。お酒と、自動車の運転は、相性が最悪だったんです。飲酒は、脳の機能を低下させ、判断力を麻痺させるわけですから、そんな状態で、自動車を運転したら、事故は起こるんです。

最近の大きな変化は、アルコールが、社会のコミュニケーションツールとしての役割を終えつつある点です。お酒を飲めない人が、お酒を飲むことを強要される場面は、ほとんどなくなりました。

お酒は、大人社会の必須科目ではなくなってしまったんです。血縁、地縁、社縁が提供する酒席は、強制参加の強制飲酒ではなくなりました。酒を飲もうが飲むまいが、生きていける社会が形成されつつあるのです。

まとめ

お酒と日本人の関係は、いま揺らいでいます。どういったところに落ち着くか、興味深い事象のひとつです。現時点の婚活においては、飲める人は、飲める人との交際にプラスに働きます。飲まない人は、飲まない人のとの交際にプラスに働きます。

アルコールは、ゆくゆくは、タバコのように、マイナスな習慣として分類されるのか、それとも、一定の理解と市民権を据え置かれるのか、どうなっていくのでしょうか。