婿取り相談や、結婚相談をしていて、一番困るのは、聞く耳がない相談者さんです。
こういった相談者さんは、相談者を装って近づいてきます。彼らは、現状を変える気はまったくなくて、愚痴、泣き言、言い訳を聞いてもらいたいだけなのです。そして、こちらが、アドバイスをしても、それは無理だと、また延々と、できない理由を並べ立てるのです。
こういった人たちは、1回目の相談ですぐ分かります。だから、ナデミタコは、こういった人たちに言うことはひとつです。
「すいません。わたしの力量では、どうすることもできません。」
指導者と実践者の相性の良し悪しは、実践者の覚悟があってからの話です。
いま結婚できない人って、たくさん努力して、身だしなみから考え方まで、変えないといけないんです。そして、どうしたらいいかのアドバイスって、自分ではわからないんです。だから、アドバイスは、素直に聞くしかないんですね。
心に火を灯すには、心に火を灯されたいと思っていることが、必須条件なんです。
こちらが、いくら明るく楽しく励ましても、響かなければ、教える側と、教わる側には成りえないんです。
ある30代の男性が、結婚したいと相談してきたことがありました。
『タバコをやめたらいかかですか。あなたは、固い仕事に就いてる。給料も十分良いし、まとまった貯金もある。体も丈夫で、背も高い。また、穏やかな性格で、雰囲気もやわらかい。あなたみたいな条件の良い男性が、結婚できないのは、おかしいんです』
「タバコですか。タバコをやめるのは、無理だと思います」
『タバコをやめるのが、どれだけ大変か分かります。ナデミタコも、かつては喫煙者でした。有機農業の師匠の元に弟子入りするときに、タバコなど吸っていては、自分の価値を下げると思って、自分のために、絶対にやめると決意して、やめたんです』
「なるほど。でも結婚できるかどうかと、タバコが関係しているとは、僕には思えません」
『……』
「正直に言うと、タバコをやめられる気がしません。結婚とか仕事とか関係なしに、禁煙は、僕には無理ですね」
『そうですか。そうなると、喫煙を許容してくれる女性を前提に、結婚相手を探すことになります。そういった女性が見つかって、あなたと交際してくれる確率は、とても低くなると思われます。ですので、今後休みの日はすべて、婚活に充ててください』
「それは、無理です。友達との付き合いもあるし、親戚との付き合いもあります」
『すいません。わたしの力量では、どうすることもできません。』