なぜ農家に嫁が来ないか

なぜ、農家に嫁が来ないのでしょうか。

それは、農家本人が、農家は大変だ、農家は苦しいと言い続けているからです。

農家本人から発せられているわけですから、それは偏見と差別の固定観念となり、本当のところはどうなのか誰にも分からないまま独り歩きし、世間の本当になってしまうんです。

ではなぜ、農家だけが、苦しい大変だと言い続けるようになってしまったのでしょうか。

戦後復興期と高度経済成長期に、農家に何があったかを考えてみます。

女性

まず、女性です。農家の女性は、自分がいかに苦労しているかといった話を、子供や孫や友達に罪悪感なくします。

家族間、一族間、地域間の、悪口、泣き言、愚痴。

この非常識な閉鎖空間で、耐えがたきを耐えて頑張ったということを、誰かに認めてもらいたい、慰めてもらいたいのです。

農家で生活している女性が、自分たちは大変だと言っているんですから、聞いてる人は、素直に信じてしまいます。

信じるどころか、恐怖し戦慄し、絶対農家の嫁になりたくないと決意してしまいます。

嫁姑のドロドロした確執や、小姑や親戚からのいじめ、いやがらせ、陰湿な村社会と、あることないこと膨れ上がった苦労話の総体は、嫁消滅の片棒を担いでいます。

男性

次に、男性です。男は、田の力と書くように、農家の実働要員です。日々の力仕事から、一家の代表として矢面に立つことまで、農家の男には求められます。農夫って、本当は誇り高いんです。国全体の命を司ってる自負が、あるべきなんです。

農耕は文明の礎です。だから、いつの世も、農に携わる民は、保護され、大切にされてきたんです。

しかし、農家への適切な保護を、私利私欲のために乱用する男性がいるんですね。

それは、誰か。

農家の一部の有力者と、政治家の一部です。

農家は苦しい大変だと言えば、補助金、補償金、交付金など、様々な名目で、お金をもらえることに、味を占めてしまったんです。減反政策からTPPまで、大騒ぎすればするほど、お金をもらえるんです。

政治家、特に地方の代議士は、まとまった票田を農家に求めます。そして、当選の見返りに、あらゆる理由を作り出しては、農家に税金を注入します。税金は、社会的弱者の救済でないと使えません。だから、農家は、見せかけ上は、弱者でなければいけないんです。

傲慢な弱者に成り下がった農家と、器量も志もない政治家の、刹那的な金銭と権力のツケは、いま支払われているんです。

それは、農家の直系の子孫が途絶えるという形で、絶対割に合わない、笑ってしまうしかないツケの支払いとなって巡ってきたのです。

これからどうなるのか

嫁が来なくなった結果、現状に文句を言う農家は、廃業していくでしょう。彼らの持っていた農地や既得権益は、何があろうが平気な優れた農家や、新たに農を志す若者に徐々に移っていき、日本の農は、再興すると思います。

まず、嫁は来ています。それも外国人が来ています。海を渡って、日本に骨を埋める覚悟がある女性ですから、この上なく優秀で、根性もあります。

新しい血、それも本当に遠くからもたらされた血は、農家の子孫を、身体的に強くします。二つの国を祖国に持つ、新世代の農家は、より広い視野を、村社会にもたらすでしょう。

じゃあ、それでも日本人の嫁を欲しがったり、政治のせいにする農家はどうなるんですかっていうと、遅かれ早かれ淘汰されていくと思います。私たち人間のやることもまた自然の一部ですから、状況の変化に適応できない個や群れが滅びるのは、仕方のないことです。

苦労話というのは、呪詛の類です。農家の愛と光であるべき女性が、呪いの言葉をふりまけば、そこには地獄が出現します。

いつの世も、不正は不正を呼びます。すべての政治家が、品行方正であったことなんか、歴史上一度もないのです。それなのに、地域や家の長たる男性としての誇りを捨てて、目先の金銭や権力の誘惑に抗えず、政治家という仮面を被った詐欺師に手を貸したのなら、それ相応の報いは、受けなければなりません。

やってしまったものは、しょうがないのですから、農家らしく、自分たちが蒔いた種と覚悟を決めて、次の最善手を打てばよいのです。